質問
Aと請負契約を締結し、Aの自宅を建築したのですが、建築後にAから、壁と天井との間に隙間がある部分が何ヶ所かあるので直してほしいという要求がありました。確かに、隙間がある部分があるのですが、建物の基礎部分、躯体部分などの建物の安全性や耐用性と直接かかわる部分ではなく、見た目にかかわるような部分です。また、これを直すとなると大がかりな工事になり、何百万円もの費用がかかってしまいます。
このような場合にまで、補修工事をしなければならないのでしょうか。
回答
壁と天井との間に隙間があるのですから、その部分については、建物に瑕疵があるといえますが、ご質問のように、瑕疵が重要なものではないが、その補修には不釣り合いな多額の費用がかかるという場合、民法では、補修をする必要はなく、金銭賠償だけをすればよいと定めています。
また、金銭賠償の対象となるのは、一般に目的物の交換価値の低下相当額、慰謝料などと言われており、ご質問の場合のように、壁と天井との間に隙間があっても建物の交換価値はそれほど下がりませんし、また、慰謝料も簡単に認められるものではないので、Aの要求は法律的には無理があります。