紛争の内容
 県南部マンションを有する区分所有者が、1年以上にわたりマンションの管理費や修繕積立金を支払わなかったため、同管理組合は、今後の管理費等を見直さざるを得ないと考えていました。管理組合から出した通知にも、未納区分所有者は反応なしで、やむを得ず、提訴して管理費等を法的に回収することにし、弊所にご相談に来られました。

交渉・調停・訴訟などの経過
 まず、弁護士からも管理費等を支払うよう通知を出しましたが、相手方からは何らの回答もありませんでした。そこで、速やかに管轄裁判所に提訴をしましたが、相手方は第一回口頭弁論期日にも出廷せず、裁判官は被告には反論がないものとして、同期日にて弁論を終結、原告である管理組合の主張を全て認容する判決を言い渡しました。

本事例の結末
 結局、被告は上記判決に対し控訴もせず、判決は確定しました。今後も管理費等を自主的に支払わないようであれば、管理組合はこれを足掛かりとして、区分所有権法に基づく競売をすることもやむなしと考えています。

本事例に学ぶこと
 管理費等の未納に関しては、自主的な解決を図ることはとても難しいので、最終的には管理費を回収し、かつ未納区分所有権者を排除するということは必要になってきます。しかし、このような手続はいきなりできるわけではなく、ある意味「最後の手段」として法律に定められているものです。そこで、債権者である管理組合としても、交渉ができない未納区分所有権者になるべく早く対処し、この「最後の手段」について検討できる状態にすることが必要であるのだと感じました。