賃料の支払いが3カ月遅れの場合です。まず、不動産のオーナーつまり賃貸人の方に相談にお越しいただきます。そこでは、賃料の遅れがどのくらいなのかをお聞きします。
 
相談の中では、建物明渡し訴訟の流れや判決を取ったのちの強制執行の流れなどをお話しします。その際に、弁護士費用(着手金と報酬)の話しや強制執行にかかる費用・明け渡しの際に業者にお支払いする大体の費用などのお話をすることになります。

当事務所では、まず見積書を作成し、どのくらいの費用がかかるのかをお伝えし、事件のご依頼をいただく場合には、事務所で打合せをして、弁護士との委任契約をし、委任状を頂きます。
 
その後、賃料が不払いであること、延滞賃料を支払うことの催告と支払わなかった場合に解除をする旨の内容証明郵便を出します。内容証明郵便が届いて、10日から2週間たっても支払いが確認できない場合に、訴訟を提起します。訴訟の際には、証拠として、賃貸借契約書と不動産登記簿謄本、固定資産評価証明書などを提出します。

裁判所の方で受付が終わると、担当の書記官から、第一回口頭弁論期日の連絡がなされます。そのときに、第一回口頭弁論期日が指定され、相手方に訴状と証拠書類・期日の指定が書かれた書面が送達されます。

相手方が訴状などを受け取ってくれれば(送達されれば)、裁判が始まります。第一回口頭弁論期日に相手方が来ない場合は、そのまま1週間か2週間後に判決となります。判決が出て、相手方が何も言ってこない場合は、判決が確定しますので、強制執行を行うことになります。

裁判所に強制執行の申し立てを行った後に、執行官から、予納金の納付と明け渡しの催告の日にち、強制執行の断行の日にちなどの期日の調整を行います。その後、明け渡しの催告の日に、執行官と現地に行き、相手方に、断行の日にちまでに出て行くように伝えます。それと同時に、催告書を家の中に貼ることになります。

明渡しの強制執行の日までに出て行ってもらえれば、強制執行をする必要はないのですが、強制執行の日まで相手方が住んでいるようですと、専門の業者を連れて、明渡しの強制執行を行うことになります。これにより賃料不払いの強制執行が完了します。