あるマンション管理組合のかたから、管理組合の管理費を数年にわたって滞納している方がいるというご相談がありました。
当事務所で受任した後、早速、管理費を支払っていただくよう内容証明郵便を発送しましたが、まったく音沙汰がありませんでした。そこでやむなく、管理費支払を求める裁判を起こしました。
管理費支払いを求める裁判は、普通の賃料不払いとは異なり、原告が管理組合であることが多いので、管理費支払請求訴訟を起こすことを内容とする管理組合での決議が必要となります。この場合も、その決議を管理組合にとってもらいました。
その上で、管理費支払い請求訴訟を提起しましたが、次に問題となるのは、将来の管理費が請求できるか、という点です。
裁判では、将来の給付を求める判決(将来支払うべき金銭について、「支払日が来たら●●円を支払え」というような判決)を求めることも可能ですが、そのためには、将来の給付判決を、今もらう必要があるということ(つまり、相手方は、将来支払いをしない可能性が高いということ)を裁判所に納得してもらわなければなりません。
このケースでは、幸い、それまでの滞納を根拠に、管理費を滞納している人がマンションの所有権を失うまでの将来の管理費支払いが命じられましたが、場合によっては、○年分というように、一定期間しか認められないこともあるようです。
このケースでは、受任から判決まで、約半年で解決しています。
管理費の滞納が続いている場合には、早急に弁護士に依頼し、早期に解決を図るのがよいのではないでしょうか。