紛争の内容
 マンション一棟売りの瑕疵担保責任(損害賠償)及び売却後にキッチンを付け替えた事に関する不法行為損害賠償責任を追及された事案。主張された瑕疵の内容は、付け替えたキッチンとは別のキッチンの排水管の不具合と共用排水マスのつまり。

交渉・調停・訴訟などの経過
 売却後に買主の許可なく売り主がキッチンを付け替えた事実については認め、敷地に置いていった旧キッチンの撤去費用・産廃費用約9万円は払うことにした。他方、キッチンの排水管の不具合については利用者の用法が悪いことを主張し、共用排水マスのつまりについては築40年以上に基づく経年劣化と洗浄不足を主張して、瑕疵を争った。

本事例の結末
 キッチン排水管詰まりと共用排水マスの修繕費用の請求額は約28万であったが、そのうちの10万円を払うこと、及び旧キッチンの撤去費用・産廃費用9万円を支払うことで和解が成立した。

本事例に学ぶこと
 経年劣化の進んだ住宅の不具合について、裁判例等を引用して、売買における瑕疵には当たらないと主張する方法を学んだ。

弁護士 榎本 誉
弁護士 村本拓哉