アパート、店舗、倉庫を賃貸している賃貸人にとって、賃料を値上げしたい場合があります。
借地借家法によると、「建物の賃料が、土地・建物に対する租税その他の負担の増減により、土地・建物の価格の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動により、または近傍同種の建物の賃料に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって借賃の額の増減を請求することができる」とされています。
そのような場合、まずは賃借人と話し合いをします。
店舗、倉庫など、賃料が高い物件については、事前に不動産鑑定士に賃料の鑑定をしてもらうのも一つの方法です。
賃借人が値上げに応じない場合、賃借人に対して、賃料の値上げをする通知書を出し、賃料値上げを求める調停を簡易裁判所に起こします。
鑑定をしてもらっておけば、調停でも調停委員を説得するいい材料になります。
調停では、調停委員が間に入り何度か話し合いを行います。話し合いが成立すれば、調停調書という書類に新しい賃料など記載され終了となります。
話し合いが成立しない場合は、賃料値上げを求める訴訟を地方裁判所に起こし、判決によって、賃料値上げが認められるのか、認められるとしていくらの限度で認められるかを決めることになります。
ここでも、賃貸人の鑑定書は重要な証拠になります。
賃借人も、賃借人が依頼した不動産鑑定士の鑑定書を提出した場合、鑑定書が2つあることになりますから、裁判所も、裁判所の選任した不動産鑑定士に鑑定を依頼することになるでしょう。
最後は、裁判官が、この3つの鑑定書をもとに、建物の賃料をいくらにするのかを決め、判決することになります。
判決が出て、賃料の値上げが認められた場合、この値上げは、賃貸人が賃借人に対して、値上げの通知を出した時に遡って有効になります。
例えば、月100万円の賃料を120万円にする旨を通知し、その後、2年たって、月110万円にする旨の判決が出た場合は、賃借人は今後月110万円の賃料を払う以外に、10万円×2年分の賃料を過去に遡って支払わなければなりません。
なお、賃料値上げの通知をした後も、賃借人がこれまで通りの賃料を持ってきた場合、これを受領してもよいですが、領収書には、賃料値上げを撤回するわけではない、賃料の一部として受領するという趣旨のことを書いて記載しておくとよいでしょう。
賃料の値下げ
同じく、アパート、店舗、倉庫を賃貸している場合、賃借人から賃料を値上げして欲しい旨の要求が来る場合があります。
借地借家法では、このような値下げの要求も可能です。
このような場合、まずは賃借人と話し合いをします。
店舗、倉庫など、賃料が高い物件については、不動産鑑定士に賃料の鑑定をしてもらうのも一つの方法です。
話し合いが成立しない場合、賃借人は、一方的に値下げした賃料を支払うことはできません。調停、裁判で決着がつくまで、これまでどおりの賃料を支払わなければならないのです。
そこで、賃借人としては、あくまで賃料値下げを求めるのであれば、賃料値下げを求める通知を賃貸人に出したうえ、簡易裁判所に調停を起こさなければなりません。
なお、賃貸人は、賃料の鑑定をしてもらっておけば、(賃料値下げを認めるべきではないと)調停委員を説得するいい材料になります。
調停では、調停委員が間に入り何度か話し合いを行います。話し合いが成立すれば、調停調書という書類に新しい賃料など記載され終了となります。
話し合いが成立しない場合は、賃借人は、賃料値下げを求める訴訟を地方裁判所に起こし、判決によって、賃料値下げが認められるのか、認められるとしていくらの限度で認められるかを決めることになります。
ここでも、賃貸人の鑑定書は重要な証拠になります。
賃借人も、賃借人が依頼した不動産鑑定士の鑑定書を提出した場合、鑑定書が2つあることになりますから、裁判所も、裁判所の選任した不動産鑑定士に鑑定を依頼することになるでしょう。
最後は、裁判官が、この3つの鑑定書をもとに、建物の賃料をいくらにするのかを決め、判決することになります。
判決が出て、賃料の値下げが認められた場合、この値下げは、賃借人が賃貸人に対して、値下げの通知を出した時に遡って有効になります。
例えば、月100万円の賃料を80万円にする旨を通知し、その後、2年たって、月90万にする旨の判決が出た場合は、賃貸人は、今後月90万円の賃料を受領する以外に、10万円×2年分の賃料を過去に遡って賃借人に払い戻さなければなりません。
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