質問

地震によってアパートが倒壊し、借主が死亡した場合、アパートのオーナー(貸主)はどのような責任を負うのでしょうか。

回答

民法717条には、次のような規定があります。

① アパートに瑕疵(欠陥)があり、これによって第三者に損害が生じたときは、第一次的には借主が損害賠償責任を負う。
② 借主が、損害の発生を防止するために必要な注意をしていたときは、貸主が損害賠償責任負う。この場合の、貸主の責任は無過失責任である。

 ご質問の場合、損害を被ったのは借主であり、第三者ではありませんから、地震によって損害が発生したことにつき借主に落ち度がなければ、②によって、アパートに瑕疵があるときは、貸主は借主に対し無過失責任を負うことになります。つまり、地震という不可抗力による場合でも、アパートに瑕疵があれば、貸主は借主に損害賠償をしなければならないのです。

 また、新築時からアパートに瑕疵がある場合に限らず、新築時には瑕疵がなくても、その後の修繕、管理が悪く、たとえば10年たった時点で、そのアパートが当然持っているはずの性能を持っていないということになると、やはり瑕疵があるということになってしまします。アパートを建てた後も、通常必要な修繕、管理はきちんと行っていくことが大切です。