紛争の内容
依頼者の方は、駐車場の1区画を個人の方に賃貸していました。
ところが、ある時期から、賃料が支払われず、音信不通になりました。
この状況では、いつまで経っても賃料収入を得られないことになってしまうため、賃貸借契約の解除と自動車の撤去のため、当事務所にご依頼いただくことになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
賃借人と賃料を支払わず、連絡も絶ったとしても、勝手に自動車を撤去ないし処分することは出来ません。自力救済となり、違法行為となります。
自動車を撤去する場合には、裁判所を通じて手続きをおこなう必要があります。
そのため、依頼者の方は、当事務所に依頼され、適法なやり方での撤去を目指しました。
受任後、賃借人に対して、賃貸借契約の解除と自動車の撤去を求める訴訟を起こしました。
しかし、相手方は、裁判所からの訴状すら受け取りませんでした。
そのため、勝訴判決を得た後、強制執行により強制的に車両を撤去しました。
本事例の結末
本件では、相手方が裁判所からの訴状すら受け取らず、被告の居住地と考えられる複数の場所を調査することになったため、一般的なケースよりも時間がかかりましたが、ご依頼を受けてから約8か月で自動車の撤去を実現しました。
本事例に学ぶこと
本件のようなケースは、連絡も取れないことから、自分で自動車を撤去してしまおうと考える方もいると思います。
しかし、他人の財産を勝手に処分することは、後になって所有者から損害賠償請求を受けたり、器物損壊罪として刑事責任を追及されるリスクすらあります。
本件のように、裁判所の手続きを通じて自動車を撤去することで、そのようなリスクを回避することができます。
弁護士 赤木 誠治