紛争の内容
ご依頼者(土地オーナー)は、7年前ほど前、運送会社に対し、駐車場数区画分を賃貸しました。
賃料は毎月遅れることなく入金されてきたものの、最近になって、遠方に住むオーナーが現地を訪れたところ、駐車場として賃貸したはずの土地上にはトラックの他、コンテナハウスが立ち並び、電気・水道まで引かれたプレハブ小屋が建っていました。
驚いたオーナーは、管理会社を通じて用法違反に基づく契約解除を主張しましたが、賃借人会社は「許可を得ている」と主張して譲らず、オーナーから依頼を受けて土地明渡請求訴訟を提起することになりました。
交渉・調停・訴訟などの経過
裁判においても、賃借人会社は「オーナーの許可を得て事務所として使ってきた」旨を主張しましたが、そのような事実はなく、結局、許可を受けたことの立証ができなかったため、土地明け渡しを命じる判決が言い渡されました。
賃借人会社は、明け渡しを命じる判決が確定した後も土地を占拠し続けたため、引き続き、土地明け渡しの強制執行を申し立てました。
本事例の結末
土地明け渡しの強制執行を申し立て、その日取りが決定したところで、代理人弁護士から賃借会社代表者に任意の明け渡しを粘り強くお願いしたところ、理解が得られ、執行期日が到来する前に土地を更地にして返還してもらうことができました。
本事例に学ぶこと
土地上に置かれていた物が、大型トラック数台、コンテナハウス、プレハブ小屋等であったため、もし、強制執行の手続きが断行まで進行し、かつ、その際に全てを放置されてしまった場合には、執行費用だけで数百万円はかかるだろうと予想された事案でした。
結果として任意の明け渡しを受けることができ、土地オーナーの費用負担が最小限で済んでよかったです。