紛争の内容
原告大和リビングが、オーナー佐藤荘一氏より、マンションのサブリース契約を締結し、従前の賃貸借契約を承継したところ、賃借人が滞納し始め、債務不履行解除し、各明渡を求めた事例

交渉・調停・訴訟などの経過
1 賃借人、催告の書面受け取らない。
2 よって、訴状において、賃料催告、賃貸借解除の意思表示。
3 駐車車両の名義人も被告に加える。

本事例の結末
1 訴訟提起。被告遠藤、特別送達不奏功。被告八木も同様。
2 被告遠藤の居住調査中に、刑事被疑者として、管轄警察署勾留中と判明。同勾留場所を送達場所と申請。
3 裁判所、同警察署に特別送達。警察署受付で受領し、送達実施機関の日本郵便は、送達報告。しかし、同日、処分保留により、被告、身柄解放。送達場所不明となる。
4 第1回期日、1月12日、新潟市、8年ぶりの大雪。市内交通マヒ。現地調査、目的マンションに不在。隣家のオーナー佐藤氏より聴取したところ、女性と同棲している。
5 居住確認不能のまま、送達不能のまま、春を迎えると、契約名義人引っ越し作業、駐車車両も搬出。
6 依頼者、債務名義の取得を希望。
7 賃借被告に対する公示送達(なお、裁判所書類上は、送達となっていることから、裁判所が警察署に調査嘱託し、居住地を確認した後の対応となる)。
8 第2回期日5月16日(この間、指定期日の変更を2度行う)、弁論を開き、結審、判決言渡し期日指定。
9 判決言渡し。
10 執行分付与申請、送達証明書申請。

本事例に学ぶこと
1 賃貸借を承継した当月から滞納が始まり、継続した希有な事例。
2 申立てまで、14カ月の滞納あり。結果、2年余りの滞納となる。
3 大和リビング北関東支店管轄は新潟県を含む。送達場所調査のための、時間確保が困難。

弁護士 榎本 誉