紛争の内容
賃貸物件の明渡強制執行をしようとしたところ、別の法人宛の郵便物が物件内で発見されたため、当該法人あての明渡訴訟が必要になり、強制執行が不能になりました。さらに、当該法人の代表者所在が不明で、訴訟をするにも訴状を相手に届けることに支障があり、訴訟遂行に遅れがでそうな事案でした。そこで、依頼者が当事務所に、法人代表者の所在調査も含めて、占有移転禁止の仮処分と追加の明渡訴訟を依頼しました。
交渉・調停・訴訟などの経過
当事務所で、さらに新たな占有者が現れて明渡に支障が出ないように、占有移転禁止の仮処分の申し立てをしました。申立と同時に、法人の登記簿から法人の住所を確認して、現地調査をしたところ、転居をしておりました。次に、法人の登記簿から代表者の住所を確認し、当該住所を管轄する地方公共団体に弁護士職務上の住民票照会を掛けました。すると、当該代表者は転居をしておりましたため、さらに転居先を調べましたところ、当該住所に代表者が所在しておりました。
このような経緯で代表者の所在が明らかになりましたので、仮処分の申立書が代表者に郵送されて、無事仮処分がおり、続いて訴訟も提起して明渡判決を得ました。
本事例の結末
明渡判決をもとに強制執行を行い、建物の占有を取り戻しました。
本事例に学ぶこと
建物の占有者が法人の場合、法人の登記簿から代表者の住所を確認し、弁護士職務上の住民票照会を掛けることで、代表者への訴状や申立書の郵送を可能にし、訴訟などの法的手続きを進めることができることを学びました。