紛争の内容
１ 元サブリース物件、サブリース解消後の、オーナー賃貸人選任管理会社の管理拒否を理由とする、共益費支払い拒絶。
２ 貸室修繕協力義務違反に基づく、賃貸借解除、建物明渡請求訴訟。
３ 訴訟提起後、訴状受領と共に、任意退去。
４ 退去後、貸室修繕義務違反に基づく損害賠償請求と、未払い賃料等と対等額での相殺を主張。
交渉・調停・訴訟などの経過
１ 訴訟提起、送達後、入居者任意退去。
２ 明渡請求については取下げ。
３ 未払い賃料請求（金70万円）において、損害賠償請求権（金300万円以上）との相殺主張。
４ 平成23年震災前の雨水漏水、上水道赤水被害、修繕対応が気に召さない（サブリース契約時）。
５ 震災被害の外壁修繕後も、雨水漏水あり、上水道は引き続き利用できなかったとの主張。
６ 賃借人はいつでも途中解約可能。修繕方法については、賃借人の要望通りとは限らない。修繕に協力せず、長く居住し、その期間の修繕義務違反に基づく損害を賠償請求するのは、損害拡大防止義務違反である（最高裁判例あり）。
本事例の結末
１ 本人尋問前、和解協議あり。一旦は、被告が解決金18万支払うと合意。
２ 和解期日において撤回。主張整理、人証調べ。
弁護士 榎本 誉
