紛争の内容
アパートの一室を貸している大家さんからのご相談でした。
賃借人は、賃料支払いの遅れが常態化しており、私たちが関与した時点では、４ヵ月分まったく賃料の入金が無いという状態でした。
大家さんは、可能な限り早く出て行ってほしいというご希望でした。

交渉・調停・訴訟などの経過
賃借人が賃料を滞納したとしても、直ちに明け渡しが出来るわけではないので、まず、滞納賃料全額を支払うよう請求し（「催告」と言います）、催告した期間内に支払が無い場合には賃貸借契約を解除する旨の連絡を手紙で行いました。
すると、相手方の夫を名乗る人物から、賃借人はつい近い期日に亡くなっておられたこと、入金する意向であることの連絡がありました。
しかし、催告としては相続人である夫あてとして有効であると考えておりましたし、入金もありませんでしたので、明け渡しの裁判を提起しました。　

本事例の結末
その後、賃借人の夫が自主的に退去したので、訴訟は取り下げにより終了しました。

本事例に学ぶこと
大家さんとしては、賃料を滞納している入居者については、一日も早く明け渡してもらうことが最善と思われます。
速やかに明け渡しの手続きを行うことで、任意の退去を促すことができる場合もあります。

弁護士　野田　泰彦