紛争の内容
 一軒家を貸していたところ、借主が100万円近く滞納したため、建物の明渡を求めた事件

交渉・調停・訴訟などの経過
 賃料の支払いをしてもらうよう交渉したが、働けないから待ってもらいたいというのみで、支払いをしなかったため、明渡しの訴えを提起。判決が確定したものの明渡さなかったので、強制執行を行いました。

本事例の結末
 1回目の強制執行(催告執行)のときも借主は住んでいました。しかし、その手続きの際に、出て行っていってもらう必要がある旨を執行官が説明したところ、断行の日には、必要なものを持って借主は出ていました。そのため、残置物の撤去をして終了しました。

本事例に学ぶこと
 オーナーさんが明渡しの訴えを提起し、判決を得ただけでは、なかなか自分から進んで建物の明渡しをしてくれる借主はいません。一軒家の場合、執行費用として費用はかかりますが、この手続きをしなければ次に家を貸すことはできません。家賃の滞納がかさみ、明渡してもらいたいというオーナーの方は、訴えのみならず、強制執行まで念頭に置く必要があると思われます。

弁護士 田中 智美味
弁護士 池田 味佐