紛争の内容
 原告の兄が、不動産業者の被告から、500万円を借り入れた。その後、原告が、被告から、マンションを購入した。しかし、被告は、同マンションの引き渡しに数年間応じなかった。
 原告は、被告に対し、マンションの明渡しを求める訴訟を提起。

交渉・調停・訴訟などの経過
 訴訟の中で、被告は、原告の兄が借入金を完済するまで無償でマンションを使用できる旨の使用貸借契約が成立していると主張し、これを裏付ける書類を提出した。
 
本事例の結論
 被告が原告から本件マンションを買戻すこと、被告の主張する上記借入金額を減額した上で原告の兄(訴訟の当事者ではなく利害関係人として参加)がこれを分割して返済していくことを内容とする裁判上の和解が成立した。

本事例に学ぶこと
 本件では、金銭を借り入れていた原告の兄や原告が、被告に言われるがまま、被告に有利な書面に署名・押印をしていた。重要な権利義務に関わる書類に署名・押印をする場合には、事前に弁護士等の専門家に相談することが必要である。